数年前から気になって作ろうと思ってた竹のストック(ポール)。
長さ調節できる伸縮ポールも持ってるんですが、ハイク時に緩んだり、いちいち長さ変更が面倒だったりで
最近は延長グリップ付きの「非伸縮」の長さ固定のストックばかり使ってます。
今季こそ作ってやろうと、まだ酷暑の8月に竹を買い込んでおいて数ヶ月、しっかりと乾燥させるために室内で保管。
竹を乾燥中に石突きやストラップの固定方法を考え、ホームセンターをうろついて使えそうなモノを買い込んでは、
色んな材料を組み合わせて何度も試作しての繰り返し。
ストックの強度がどの程度必要か考えましたが、自分の経験値で言えばアルペンビンの開放時にヒールピースのレバーを押し込む時か、
テレマークの22デザインズ(のアクセル)のウォークモード切り替えくらい(しか思いつかない)。
あとはパウダーで転んで起き上がる時に2本のストックをクロスさせる時とか。
転んで踏んだりした時は竹でもアルミでもカーボンでも折れる時は折れちゃうでしょうし。それでも石突き周辺の固定には強度を確保できるよう設計。
ある程度、設計図が固まったところで作業スタート。
下準備に竹の表面を研磨してウェアに引っかかりそうなフシの部分の尖った部分を滑らかに加工。
続いて、一番悩んだ石突の固定作業から。
まずは石突と竹を固定する箇所は強度を上げる為に中にアルミパイプを使います。(テスト時はカーボンパイプも試しましたがネジ切りで積層が剝がれたり、
重量は(このサイズでは)アルミと変わらず、コストも嵩む為に却下)
カットしたアルミパイプ両端部の角を落とし、片側は少しテーパー状に削って石突に接着剤を塗って軽圧入して抜け防止にロールピンを圧入。
続いて石突上部分のアルミパイプに接着剤を塗って竹に挿入、これまた抜け防止加工としてアルミに2.5ミリの穴を開けてからタップを切ります。
竹にはボルト径より大きめの3.5mmの穴と皿ネジの頭が埋まるように面取り加工して、クロモリの3mm皿テーパーボルトで固定。ガタつきは一切なし。
(ココはテストの時にロールピンを圧入したら竹が割れたのでボルト固定にしました。)
石突が固定されたらストックの表面を清掃して表面に焼き色を付けて脱脂、ミッチャクロンを塗ってから
防水/耐候性を高めるために2液ウレタンでクリアコートX2回
塗装の乾燥を待ってボルト固定した石突周辺に補強として0.6mmSUSでワイヤリング、上から強粘着のダクトテープを巻いて
仕上げにエッジ接触時の保護の為に厚み0.9mmのチューブ(継ぎ目なし)を圧着して下部分は完成。
続いて上部分のグリップ周辺。
長さ調整が出来ない分、グリップは長さ17cmを用意
ストラップ/グリップの抜け防止でボルト固定の為に竹の内側にはナットを仕込みました。
ストックにグリップを接着した後にストラップ用ループと保護キャップを被せて、上からボルトで固定。
ストラップを使わない場合はそのままでも良いし、ループにベルトを通しても使えます。私は登山用品店で売っている細引きと革紐を使いました。
で、竹ストックの重さですが107cmでバスケット/グリップ装着の完成状態(革紐付き)で片側215gでした。(209~223で個体差あり)
手持ちのカーボンが200g弱、アルミは300g超えだったので思ったより軽く出来たかな。
グリップ固定のボルトをアルミにしたら、もう少し軽くなるかも。
で、実際にテストは始まってますが、予想外に普通。ホントに普通。
テレマークスキーで派手に転びまくってもビクともしません。心配していた石突の周辺の竹の割れも無し。
今回は自分用と友人(にテストして貰う為に)用に3本製作しましたが、まだ3本分の材料在庫があり製作可能です。
長さは115cm以内であれば希望の長さにカットして製作します。(石突き先端~グリップ上部)
竹には焼き目を付けたあと、ウレタンクリアx2回コート済み。
グリップはグリーンx2、オレンジx1の在庫あり、長さは170mm/フランジレス(ツバなし)。
ストラップループ仕様で紐/ストラップは付属しません。直径90mmのバスケット付きです。
(バスケットはブラックダイヤモンドのモノと互換あり、手持ちのレキは互換不可でした)
トップ画像と同じ仕様(革ヒモ・ロゴなし)です。
1セットで¥12000/送料別で承ります。
ご希望の際は qqfv6h2x9★helen.ocn.ne.jp (★は@に変えてください)、件名は「竹ストック希望」と記載願います